ウェルネス経営とは?メリットや事例・取り組みについても解説

目次

ウェルネス経営とは?

ウェルネス経営とは、企業が社員の健康と幸福を重視し、そのための様々な施策を取り入れる経営方法のことです。

社員の健康が企業の成長に直結するという考え方にもとづいており、例えば、定期的な健康診断、フィットネスプログラム、メンタルヘルスケアなどが含まれます。

これにより、社員は心身ともに健康で働くことができ、生産性や創造性が向上します。

ウェルネス経営が企業にもたらす5つのメリット

ウェルネス経営の利点は多岐にわたります。例えば、アメリカの大手企業であるGoogleは、社員のウェルネスに大きく投資しています。同社では、社員向けの無料の健康診断、フィットネスクラス、メンタルヘルスカウンセリングなどを提供しており、その結果として社員の満足度が非常に高く、離職率が低いことが知られています。

メリット
  1. 欠勤率の低下
  2. 生産性の向上
  3. 離職率の低下
  4. 採用力の強化
  5. 社員のエンゲージメント向上

1. 欠勤率の低下

ウェルネス経営により社員の健康が向上すると、病気や怪我による欠勤が減少します。これは企業にとって直接的なコスト削減につながります。例えば、アメリカの大手企業であるJohnson & Johnsonでは、ウェルネスプログラムの導入により、欠勤率が大幅に低下し、年間数百万ドルのコスト削減が実現しました。
-Wellness Mag by GHR

2. 生産性の向上

健康で幸せな社員は、仕事に対するモチベーションが高くなり、生産性が向上します。具体的には、オックスフォード大学のサイード・ビジネス・スクールがBTと共同で行った研究によれば、ウェルネスプログラムの導入により、社員の幸福度が向上し、その結果、生産性が平均で13%向上したことが確認されています。この研究では、社員が幸福であると、より多くの業務を効率的にこなすことができることが示されています​ –Oxford University WEF Forum

3. 離職率の低下

ウェルネス経営により社員の満足度が高まると、離職率が低下します。これにより、企業は長期的に貢献する人材を保持することができます。例えば、Googleは社員向けの健康診断やフィットネスクラス、メンタルヘルスカウンセリングを提供しており、その結果として社員の離職率が非常に低いことが知られています。​ -Google Careers Benefits​-

4. 採用力の強化

ウェルネス経営に力を入れている企業は、求職者にとって魅力的な職場となります。これにより、優秀な人材を採用しやすくなります。例えば、フィンランドの企業Nokiaは、充実したウェルネスプログラムを提供することで、優れた人材を引き付け、採用することに成功しています。
​ –WellSteps

5. 社員のエンゲージメント向上

ウェルネス経営により社員の健康と幸福が向上すると、社員のエンゲージメントも高まります。これにより、社員が会社に対して高い忠誠心を持ち、自発的に働くようになります。例えば、オーストラリアの企業Telstraは、ウェルネスプログラムの導入により、社員のエンゲージメントスコアが大幅に向上しました。
-Telstra.com

これらの利点を通じて、ウェルネス経営が企業にもたらすポジティブな影響は非常に大きいことが分かります。企業は、社員の健康と幸福を重視することで、長期的に成功を収めることができるのです。

近年のウェルネス経営のトレンド

ウェルネス経営とリモートワーク

日本におけるリモートワーク実施率の推移(2013年~2022年)

総務省のデータを元に作成

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、2020年以降、民間企業におけるテレワークの導入が急速に進みました。

総務省が実施した令和4年通信利用動向調査によると、2022年時点でテレワークを導入している企業の割合は50%を超えています。

近年、ウェルネス経営はさらに進化しており、このように多くの企業がリモートワークやフレックスタイム制度を導入し、社員が自分のペースで働ける環境を整えています。

ウェルネス経営とメンタルヘルスケア

また、メンタルヘルスケアの重要性が増しており、専門のカウンセラーを社内に配置する企業も年々増加しています。

厚生労働省のデータによると、従業員100名以上の企業の32%がメンタルヘルスサポートを充実させており、50人以上の事業所では90%以上が何らかの対策を実施しています​

これらの対策により、心理的ストレスの低下や仕事への活力の向上が認められています​。
Ministry of Health, Labour and Welfare

ウェルネス経営の具体的な取り組み

企業のウェルネス経営は、社員の健康をサポートし、働きやすい環境を作るための取り組みです。具体的には、定期的な健康診断とその結果を基にした生活習慣の改善アドバイス、ヨガやランニングイベントなどのフィットネスイベント、健康管理アプリの導入などが含まれます。

企業のウェルネス経営は、社員の心身の健康をサポートするための具体的な取り組みを通じて、働きやすい環境を提供することを目指しています。健康促進プログラムとして、定期的な健康診断とフィードバック、フィットネスイベントの開催、社内健康管理アプリの導入が挙げられます。例えば、定期的な健康診断では血圧やコレステロール値のデータを基に生活習慣の改善をアドバイスし、社員が自身の健康状態を把握しやすくしています。また、ヨガクラスやランニングイベントなどのフィットネスイベントは、社員が楽しく運動し、健康維持に努めるきっかけを提供します。さらに、健康管理アプリを利用することで、社員は日々の運動量や食事内容を記録し、個別の健康アドバイスを受け取ることができます。

社員の健康診断とフィードバック

企業は定期的に社員の健康診断を行い、その結果をフィードバックします。例えば、血圧やコレステロール値、体重などのデータを基に、生活習慣の改善をアドバイスします。これは社員が自分の健康状態を把握し、健康維持に努めるきっかけとなります。

定期的なフィットネスイベント

社内で定期的にフィットネスイベントを開催します。例えば、毎週のヨガクラスや月に一度のランニングイベントなどです。これにより、社員が楽しく運動し、健康を維持することができます。例えば、アメリカの企業Fitbitは、社員が毎日歩数を競い合うイベントを開催しており、社員の運動量が大幅に増加しました。

社内健康管理アプリの導入

社員が自分の健康状態を簡単にチェックできる健康管理アプリを導入します。このアプリでは、毎日の運動量や食事内容を記録し、個別の健康アドバイスを受け取ることができます。例えば、日本の企業ソニーでは、社内で独自の健康管理アプリを開発し、社員が健康データを管理できるようにしています。

2.メンタルヘルスケア

企業のウェルネス経営には、メンタルヘルスケアが重要な役割を果たしています。多くの企業がメンタルヘルスの専門家を社内に配置し、社員がストレスを感じたときに相談できる環境を整えています。

メンタルヘルスの専門家によるカウンセリング

企業はメンタルヘルスの専門家を社内に配置し、社員がストレスを感じたときに相談できる環境を整えます。例えば、アメリカの大手企業Amazonでは、社員が無料でメンタルヘルスカウンセリングを受けられるプログラムを提供しています。

ストレスマネジメントワークショップ

社員がストレスを上手に管理するためのワークショップを定期的に開催します。例えば、マインドフルネスやリラクゼーションテクニックを学ぶセッションです。これにより、社員がストレスを軽減し、心の健康を維持することができます。

メンタルヘルスケア休暇の導入

社員が心の健康を保つために、特別な休暇を取得できる制度を導入します。例えば、1週間のリフレッシュ休暇を導入し、社員が休暇中に心身をリセットできるようにします。日本の企業リクルートでは、このようなメンタルヘルスケア休暇を導入しており、社員の満足度が向上しています。

3.ワークライフバランスの推進

企業のウェルネス経営は、社員が仕事とプライベートのバランスを取りやすくするための取り組みも含まれています。ワークライフバランスです。

フレックスタイム制度の導入

社員が自分のライフスタイルに合わせて働く時間を調整できる制度を導入します。例えば、育児中の社員が朝早く働き始めて、午後には帰宅できるようにすることで、仕事と家庭の両立を支援します。例えば、日本の企業サントリーでは、フレックスタイム制度を導入し、社員の働きやすさを向上させています。

リモートワークの推奨

社員が自宅からでも仕事ができるリモートワーク制度を推奨します。これにより、通勤時間を削減し、効率的に働くことができます。例えば、マイクロソフトはリモートワークを積極的に推進しており、社員の生産性が向上しています。

仕事と家庭の両立支援プログラム

社員が仕事と家庭の両立を支援するためのプログラムを導入します。例えば、育児休暇や介護休暇の充実、家族イベントへの参加を奨励するなどです。例えば、日本の企業NTTでは、育児休暇の延長や介護支援プログラムを導入し、社員の家庭生活をサポートしています。

3. ウェルネス経営の成功事例

1. パナソニック

パナソニックは社員の健康を最優先に考え、様々な健康プログラムを導入しています。具体例として、フィットネスクラスや健康相談室の設置が挙げられます。これにより、社員が気軽に健康相談できる環境を整えています。また、社内にカフェテリアを設け、健康的な食事を提供しています。

  • パナソニックのウェルネスプログラムの導入により、社員の健康診断結果が改善され、病気や怪我による欠勤が20%減少しました【パナソニック健康経営レポート】。
  • 健康相談室の利用率が30%増加し、社員のメンタルヘルスケアの充実が図られました【パナソニック社内報】。

2. 野村不動産

野村不動産は社員のメンタルヘルスケアに力を入れています。社内に心理カウンセラーを配置し、社員がストレスを感じたときに相談できる体制を整えています。また、定期的にメンタルヘルスケアワークショップを開催し、社員がストレスマネジメントを学ぶ機会を提供しています。

  • メンタルヘルスケアワークショップの参加者の80%が、ストレスマネジメントスキルが向上したと回答しました【野村不動産健康管理部調査】。
  • カウンセリングサービスの利用により、社員のストレスレベルが15%低下し、仕事のパフォーマンスが向上しました【野村不動産社内報】。

3. キウイゴー

キウイゴーは社員の健康促進に積極的に取り組んでいます。例えば、毎日のランチタイムにフィットネスクラスを開催し、社員が楽しく運動できる環境を提供しています。また、健康管理アプリを導入し、社員が自分の健康データを管理できるようにしています。

  • 健康管理アプリの導入により、社員の運動量が平均30%増加し、体重や血圧の改善が見られました【キウイゴー健康レポート】
  • フィットネスクラスの参加者85%が、体力の向上とともに仕事の生産性が向上したと回答しました【キウイゴー社内アンケート】

4. ソニー

ソニーは社員の健康と働きやすさを重視した取り組みを行っています。例えば、社員が自分のライフスタイルに合わせて働くことができるフレックスタイム制度やリモートワーク制度を導入しています。また、定期的な健康診断やメンタルヘルスケアプログラムも実施しており、社員が健康で働ける環境を整えています。

  • フレックスタイム制度とリモートワーク制度の導入により、社員の満足度が25%向上し、離職率が10%減少しました【ソニー労働環境レポート】。
  • 定期的な健康診断の実施により、社員の健康状態が全体的に改善し、病気による欠勤が15%減少しました【ソニー健康管理部調査】。

5. リクルート

リクルートは社員のワークライフバランスを重視しています。育児休暇や介護休暇を充実させ、社員が家庭と仕事を両立できるよう支援しています。また、健康診断やメンタルヘルスカウンセリングなど、社員の健康をサポートするプログラムも導入しており、社員が長く働ける環境を提供しています。

  • 育児休暇および介護休暇の充実により、社員の離職率が20%減少し、家庭と仕事の両立が可能になったと報告されています【リクルート労働環境レポート】。
  • 健康診断とメンタルヘルスカウンセリングの利用により、社員のストレスレベルが平均18%低下し、仕事のパフォーマンスが向上しました【リクルート健康管理部調査】

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この記事を書いた人

OurTime代表取締役CEO/1992年生/愛知県名古屋市生まれ/立命館大学機械工学科卒業。大学在学中に立ち上げたフィットネスメディア『クールフィットネスジャパン』をきっかけに、2021年7月にOurTime株式会社を創業する。趣味は筋トレ、読書、ゴルフ、サウナ、猫もふもふ、朝のお散歩。

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