高画質の動画広告は視聴者の広告への反応を21％向上させる。

オンライン動画広告は、消費者にリーチし、繋がるためにますます重要な手段となっています。

本研究では、オンラインの動画広告の「画質」と「画面サイズ」が視聴者にどのような影響を与えるかを調査しました。特に、ビデオの品質が視聴者の反応にどのように影響するかを探りました。

結論から申し上げますと・・・

YouTubeを使った実験の結果、画質が良いビデオを視聴した人は、視聴者の「その場にいる感じ」（いわゆる空間的プレゼンス）が約21%強くなり、登場人物の表情や動きをよりはっきり感じ取れることで、「他者とのつながりを感じる感覚」（社会的プレゼンス）が約7%増しました。

また、こうした高品質なビデオを視聴した人は、広告に対して約5%多くの肯定的な態度を示しました。

一方で、画面の大きさ（小さい画面か大きい画面か）は、これらの反応にほとんど影響を与えませんでした。

これにより、広告の効果を高めるためには、ビデオの画質が重要な要素であることが確認されました。

また、視聴者がビデオの画質によって感じる「その場にいる感覚」が広告効果に大きく影響することが明らかになりました。

研究の背景

動画広告の利用が増える中で、広告の画質や画面サイズが視聴者に与える影響を調べた研究はほとんどありませんでした。

従来の研究では、テレビ視聴における画質や画面サイズの重要性に注目してきましたが、オンラインの動画広告でこれらの要素がどう影響するかはよくわかっていませんでした。

方法

本研究では、ビデオの「画質」と「画面サイズ」が視聴者の広告に対する態度にどう影響するかを調べるために、大学生104名を対象にした実験を行いました。

参加者は、画質が高いビデオと低いビデオ、そして画面サイズが大きいものと小さいもののいずれかを見るように割り振られ、それぞれの反応が測定されました。

研究結果結果

動画の画質が高いほど、視聴者が「その場にいる感じ」を強く感じたり、「他者とのつながりを感じる感覚」が高まることがわかりました。

具体的には、画質が良い動画を見た人は、低い画質の動画を見た人よりも約21%強く「その場にいる感じ」を持ち、約7%高く「他者とのつながり」を感じました。

また、広告に対しても、画質が良い動画を見た人は約5%多く肯定的な態度を示しました。

逆に、画面の大きさはほとんど影響を与えませんでした。