動画制作の契約書で確認すること|著作権・修正・中止・納品条件のチェックリスト

動画制作を発注するとき、金額と納期だけを確認して進めると、初稿後に「修正は何回までか」「広告への二次利用は可能か」「編集データも納品されるか」といった認識差が生まれやすくなります。契約書はトラブルに備えるためだけでなく、発注側と制作側が同じ完成条件を共有するための設計図です。
この記事では、企業のマーケティング・広報・EC担当者が、動画制作の契約書や発注書を確認するときの要点を、発注前・制作中・納品後の順に整理します。個別案件への法的判断ではなく、制作相談の前に論点を洗い出すための実務チェックリストとしてお使いください。
まず契約書と見積書の役割を分ける
見積書は「何を、いくらで行うか」を示し、契約書・発注書は「どの条件で、どこまで責任を持つか」を定めます。提案書やメールにしか書かれていない条件がある場合は、契約文書から参照できる状態にすることが重要です。
| 文書 | 主に確認する内容 | 発注側の注意点 |
|---|---|---|
| 企画書・提案書 | 目的、視聴者、構成、表現方針 | 最終版のファイル名・日付をそろえる |
| 見積書 | 作業項目、数量、単価、追加費用 | 「一式」の中身と除外項目を確認する |
| 契約書・発注書 | 権利、検収、修正、中止、秘密保持、責任分担 | 企画書・見積書との優先関係を確認する |
見積もりを比べる段階は、既存記事「動画制作を外注する流れ|見積もり前の準備と依頼先の選び方」もあわせてご覧ください。
動画制作契約で確認したい9項目
1. 制作物と利用目的
動画の本数、尺、画面比率、解像度、言語、字幕・ナレーションの有無、公開先を明記します。「会社紹介動画1本」だけでは、Web掲載用なのか展示会用なのか、SNS用の短縮版まで含むのかが分かりません。広告配信、店頭サイネージ、イベント上映など、予定している用途を先に列挙します。
2. 業務範囲と発注側の担当
企画、台本、絵コンテ、撮影、出演者手配、素材制作、編集、BGM、ナレーション、字幕、色調整、納品のうち、どこまでが制作費に含まれるかを分けます。同時に、商品情報の確認、素材支給、社内承認、出演同意の取得など、発注側が担う作業も決めます。
3. スケジュールと承認期限
納品日だけでなく、素材支給日、台本承認日、撮影日、初稿提出日、フィードバック期限を置きます。発注側の承認が遅れた場合に納期がどう動くかも確認します。関係部署が多い案件では、誰が最終決裁者かを一人に定めると修正の往復を減らせます。
4. 修正回数と「修正」の定義
軽微な修正と構成変更を分けておきます。誤字、色、タイミングの微調整と、台本の差し替え、再撮影、カットの作り直しでは作業量が異なります。「2回まで」だけでなく、1回分のフィードバックをまとめて提出するのか、追加修正の見積もり方法まで確認します。
5. 検収と納品形式
完成条件、確認期間、指摘方法、検収完了の扱いを定めます。MP4などの完成動画だけか、字幕なし版、縦横別データ、サムネイルも含むかを確認してください。Premiere ProやAfter Effectsなどの編集元データは、通常の完成動画とは別の納品物として扱われることがあります。
6. 著作権と利用許諾
著作権を譲渡するのか、必要な範囲の利用許諾を受けるのかを確認します。期間、地域、媒体、広告利用、改変、第三者への提供、グループ会社での利用も論点です。BGM、フォント、ストック素材、出演者の肖像など、制作会社が権利を持たない素材は、利用条件が別に存在します。
7. 支給素材と第三者の権利
ロゴ、商品写真、人物写真、過去動画を支給する場合、発注側が利用権限を持つことを確認します。人物が映る素材では、広告利用を含む同意範囲も必要です。生成AIを使う案件では、入力素材の権利、利用サービスの規約、出力物の類似性確認を別途記録すると安全です。
8. 中止・延期・追加費用
企画開始後、撮影手配後、撮影後など、進行段階ごとの精算方法を決めます。天候、出演者都合、商品の発売延期、素材不足で日程が変わる場合の費用も確認します。外部スタッフやスタジオのキャンセル料は、制作費とは別に発生することがあります。
9. 秘密保持・実績公開・再委託
発売前の商品や未公開情報を扱う場合は、秘密情報の範囲と取扱期間を定めます。制作会社がポートフォリオやSNSで実績公開できる時期・範囲も確認してください。撮影、ナレーション、CGなどを外部スタッフへ再委託する場合の情報管理も契約上の論点です。
目的と条件が固まりきっていなくてもご相談いただけます
用途、公開先、希望する雰囲気、使える素材を伺い、制作方法と確認事項を整理します。
相手に渡すと見積もりと契約が早くなる情報
- 動画の目的と、視聴後に取ってほしい行動
- 主な視聴者と公開媒体
- 希望する尺、本数、縦横比、納品形式
- 撮影の有無、場所、出演者、使える素材
- 公開日から逆算した社内承認日
- 想定予算と、優先したい品質条件
- 広告利用、海外利用、二次編集の予定
- 法務・ブランドチェックの担当者
条件が未確定でも問題ありません。ただし「決まっていない項目」を隠さず共有すると、制作会社は仮定を明示した見積もりを出しやすくなります。
OurTimeのAI動画プランを検討するときの確認例
OurTimeの公開中のAI動画制作プランは、15秒30,000円(税別)と30秒50,000円(税別)です。いずれも1商品・1構成・縦型9:16・フルHDで、お客様支給の写真・動画を使用し、簡易台本・テロップ・BGM・編集、初稿後の軽微な修正1回を含みます。
一方、実写撮影、長尺素材からの場面選定、複雑なアニメーション、全編のAI動画生成、ナレーション、編集元データ、広告運用は含まれません。追加サイズや構成変更は別途見積もりです。契約・発注時には、この公開範囲と自社の要望の差分を確認してください。料金と範囲はAI動画制作サービスページの現行表示を正とします。
まとめ
動画制作の契約書では、金額だけでなく、業務範囲、修正、検収、権利、納品形式、中止条件を一つずつ確認します。特に「何が含まれないか」と「誰が承認するか」を明確にすると、見積もり比較から納品までの認識差を減らせます。
目的と条件が固まりきっていなくてもご相談いただけます
用途、公開先、希望する雰囲気、使える素材を伺い、制作方法と確認事項を整理します。

コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 誰が素材の権利を確認し、誰がサービス規約を選び、誰が最終承認するかを契約で定めます。納品物、利用範囲、修正回数、問題が見つかった場合の対応、生成履歴の保管、実績公開の可否も確認します。「動画制作の契約書で確認すること」も参考にしてください。 […]